NEWS NO.142(2017年度)
平成30(2018)年度「乳の学術連合」学術研究に
院生の東郷将成さんの研究が選定
乳の学術連合と一社)Jミルクの共同事業 平成30(2018)年度「乳の学術連合」学術研究の公募結果、本学大学院・酪農学研究科博士課程3年の東郷将成さんが応募した「運動後のアイスクリーム摂取が持久力の回復に及ぼす影響」が牛乳乳製品健康科学の分野において選定されました。
「乳の学術連合」、一社)Jミルクの構成組織である「牛乳乳製品健康科学会議」、「乳の社会文化ネットワーク」、「牛乳食育研究会」が関わる分野の各研究テーマが全国の大学などから広く応募されました。応募期間は昨年10月1日~12月31日迄で、今年1月28日・29日、2月14日に審査委員会が開かれ、応募数97件のうち、全27件が選ばれました。
研究課題名 | 「運動後のアイスクリーム摂取が持久力の回復に及ぼす影響」 |
調査・研究期間 | 2018年4月~2019年3月 |
共同研究者 | 山口 太一 酪農学園大学 農食環境学群 食と健康学類 准教授(実験の遂行 ) |
瀧澤 一騎 一社)身体開発研究機構 代表理事(実験の遂行) | |
保科 圭汰 環太平洋大学 体育学部 体育学科 講師(深部体温の測定) | |
神林 勲 北海道教育大学札幌校 教授(呼気分析) |
【学術研究が採択された感想】
これまでスポーツ選手を対象に、より良い栄養補給方法を明らかにするための研究をしてきました。
博士課程では、本学で製造されているアイスクリームのスポーツ栄養学的な効能に興味を持ち、スポーツ選手がアイスクリームを食べる付加価値をつけたいと思い研究課題を設定しました。実際に行った研究は運動後のアイスクリーム摂取がエネルギーの回復にどのような影響を及ぼすかを生化学および生理学のデータを利用して明らかにするもので,博士論文としてまとめました。今回、この研究をさらに発展させた研究を実施するために、当研究助成に応募しました。採択されたのは、日々ご指導いただいている山口太一先生や共同研究者の先生方、食・健康スポーツ科学研究室の学生の皆様のおかげだと思っております。いただいた助成金でしっかりと実験を遂行し、スポーツ選手に還元できる結果を明らかにしていきたいです。
【研究概要】
スポーツの現場では、一日に複数回の試合があったり、強化合宿中には、食事を挟んで朝昼晩とトレーニングを行ったりします。このような場合には、失ったエネルギーを食事などでできるだけ早く回復させなければなりません。近年、運動直後のエネルギーの回復方法として、食事で糖質と脂質を一緒に摂取することや深部体温を冷却させることが有効であることが報告されています。スポーツ選手のなかには、運動後にアイスクリームを食べている人が多いですが、体重管理をしている選手にとってアイスクリームは食べることを制限されてしまう食品のひとつです。しかしながら、アイスクリームは糖質と脂質を含んだ冷食品である観点では運動後のエネルギーの回復食として適している可能性が考えられ,スポーツ選手がアイスクリームを食べる付加価値をつけられるのではと考えました。今回応募した研究では,激しい運動後にアイスクリームを摂取することがエネルギーを回復させ、回復後の激しい運動でもより良い能力を発揮できるかを検証する実験を行う予定です。
【東郷さんがこれまで行ってきた実証実験の様子】
【学術研究公募内容】
組織 | 分野 | 応募数 |
牛乳乳製品健康科学会議
|
「牛乳乳製品健康科学」
|
14件(応募57件)
|
テーマ | ||
①スポーツにおける牛乳乳製品の栄養的意義に関する研究
②牛乳乳製品が免疫機能に及ぼす影響に関する研究 ③乳乳製品とメンタルヘルスに関する研究 ④牛乳乳製品と高齢者の栄養代謝障害に関する研究 |
||
乳の社会文化ネットワーク | 「乳の社会文化」 | 7件(応募21件) |
テーマ | ||
①牛乳乳製品のマーケティング
②牛乳乳製品の食生活への受容 ③次世代酪農の可能性 ④乳及び酪農乳業に関する社会的文化的視点からの研究 |
||
牛乳食育研究会 | 「食と教育」 | 6件(応募19件) |
テーマ | ||
①「乳」に係る教育プログラムの開発と検証研究
②「乳」ぶ係る生産・製造・流通等を中心にした教育的プログラムの発展と検証研究 ③「乳」ならではの教育的価値の解明とその効果についての研究-歴史的または海外比較の見地から- ④学校給食における乳の現代的意義に関する研究 ⑤「乳」に関する教育的視点からの研究
|