NEWS NO.110(2014年度)
2014年 学外農場実習(委託実習)報告
本学では、建学の精神である実学教育を実践する特色ある取り組みとして、2年次に「学外農場実習(委託実習)」を行っています。これは、希望する学生が夏休み期間中の20日間、道内の卒業生の農場に泊まり込んで、農作業や農家生活、農村文化を体験するカリキュラムです。
2014年度は、172名の学生が参加しました。男女別では、男子88名、女子84名、学類別では、循環農学類120名、食と健康学類14名、環境共生学類9名、獣医学類20名、獣医保健看護学類9名です。実習先は、酪農(84戸)、畑作(47戸)、肉牛(19戸)、めん羊(3戸)、養豚(2戸)、養鶏(2戸)の計157戸です。
実習に参加した学生2名の感想文を紹介します。
獣医学類の吉田美穂さんは、天塩郡豊富町の農業生産法人 有限会社「さくら牧場」(岡本健吾代表(獣医学科2005年卒)で、8月16日から9月4日まで実習。同牧場は、600頭の乳牛をフリーストールで飼養し、250ヘクタールの採草地があり、年間3,000トンの生乳を出荷する大規模な法人です。吉田さんは、朝5時に起床し、日替わりで牛追い、ベッド掃除、育成牛房の掃除、給餌・水代え、搾乳などの作業を、休憩をはさみながら19時頃まで行い、繁殖検診も体験。「暑い日などは少し疲れることもありましたが、そんなことよりも、作業が楽しく、乳牛といられることが楽しくて仕方なかったです。社長が獣医で、さくら牧場の牛の診療や治療を見たり、やらせてもらったりと、普通の牧場ではできないことをやらせてもらいました。将来、獣医になることが夢ですが、もっと多くの牛舎を見て、いろいろな牛や人と出会い、学んでいきたいと思います」と感想を書きました。
山本薫さん(獣医保健看護学類)は、枝幸郡枝幸町の松井牧場(松井康有代表(酪農学科 1998年卒)で、8月25日から9月13日まで実習。獣医看護学類では大動物に接する機会はないので、牛に触れたいというのが実習を希望した動機です。同牧場は家族で46頭の乳牛を夏は放牧で飼養し、年間190トンの生乳を生産しています。朝5時に起きて餌やり、搾乳、牛舎の掃除、放牧見回り、草刈り、保育舎の掃除、牧草刈り、サイレージ作りなどの作業を、休憩をはさみながら19時ころまで行い、所得税の計算や獣医診療の見学なども体験しました。「生命に囲まれる生活がどれだけ幸せで尊いことかを学びました。体力的に辛くて、毎晩ぐっすり眠るような生活でしたが、生活の中で、奥さんと一緒に昼食を作ったり、実習中のフランス人と英語でがんばってコミュニケーションを取ろうとしたり、思い出がたくさんできました。夏休みを削ってまで実習することを後悔したこともありましたが、今はこのような機会が与えられたことを本当に感謝しています」と感想を書きました。