NEWS NO.121(2015年度)
第49回日本臨床検査医学会北海道支部例会で
本学学生が若手優秀演題賞を受賞
9月26日に、北海道大学にて行われた第49回日本臨床検査医学会北海道支部例会で、食と健康学類管理栄養士コース4年の佐々木梨乃さん(栄養学研究室 眞船直樹教授)が発表した「唾液へのアミラーゼS型シスタチン及びSIgA分泌と旨味に関する研究」が、今回初めて設けられた若手優秀演題賞を受賞しました。
栄養学研究室では、食べ物を食べたときに感じる「おいしさ」を指標で表すことに着目し、おいしい物を食べたときに出る特有の唾液量や唾液成分の変化について実験を進めてきました。
研究内容について佐々木さんは、「今回の測定で唾液量と唾液アミラーゼがおいしさの指標になり得る可能性を見いだしました。一方で、S型シスタチン、SIgAにはそのような動きがありませんでした。今後は、更なる研究を進め、得られたデータから結果を解析して、より、明確に数値化していきたいと思っています。また、食欲を刺激するおいしい物は摂取量や摂取頻度の調節が困難になるため、過食や偏食による肥満が生活習慣病の原因となり得ると考えられます。おいしさに刺激されている状態を知ることは食に関する問題の改善に有益だと考えています」と説明しました。
佐々木さんは、帯広大谷高校から同短大へ進み、栄養士の資格を取りましたがさらに管理栄養士を目指すため、2年の時に本学に編入してきました。
今回の受賞については、「眞船教授をはじめ、支えてくださった方々への感謝しかありません。特に、人生の先輩であり同級生の古屋さんには、たくさんアドバイスしてもらいました。ELISA法は測定するのに最低3日間は掛かるので、実験の課程で間違えないように気を張りましたが、成功(発色)した時はとてもうれしかったです。今後もこの研究を後輩に引き継いでいきたいです」と話しました。
研究をサポートした古屋誠司さんは、工学部を卒業後エンジニアとして勤務していた会社を辞め、管理栄養士を目指して2012年4月から本学に社会人入学しました。
古屋さんは、「今回は人間の生理的な面での研究でしたが、心理的な面と社会的な面からもおいしい物を食べ過ぎる研究を視野に入れていきたい。社会的な面とは、食品会社がどんな物を作るか、開発される物にも目を向けて注目していくということです。あてがわれるままではいけないと思っています」と話しました。