NEWS NO.29(2016年度)
2016年度春期キリスト教教育強調週間開催
5月24日(火)、沖縄県にある佐敷教会牧師・沖縄キリスト教学院平和研究所コーディネーターの金井創牧師をお招きして、春期キリスト教教育強調週間・大学礼拝を行いました。
北海道出身の金井牧師は、教会の牧師、キリスト教学校付きの牧師などを経て、沖縄に赴任、佐敷教会の牧師となりました。
赴任と同時に、在日米軍基地問題と関わり、現在も、辺野古への基地移転反対の抗議行動に取り組んでいます。
現地を訪ねる機会がなかなか得られない現状において、活動の中心におられる金井牧師からお話を伺うことで、沖縄基地問題を抱える日本の課題について理解を深め、キリスト教信仰から平和を作り出す意味を考える機会となることを願うものです。
奨励
「希望を捨てず」
ローマの信徒への手紙5章1~5節
金井 創【佐敷教会牧師、沖縄キリスト教学院平和研究所コーディネーター】
「沖縄に赴任して10年になるが、その当初から辺野古の問題に関わってきた。
在日米軍基地の74%が、日本全国土の0.6%の土地にある。しかし、実は、海域や空域にまで広げると、米軍の制圧権に取り囲まれているのが現実である。
辺野古の海を埋め立てる計画だったが、珊瑚や魚介類、ジュゴンなどそこに成育するものを生き埋めにする行為であることを忘れてはならない。
基地建設に抗議する活動を続けているが、圧倒的な力の差の中での活動だ。国家を背景に持つ相手に対して、ボランティアの集まりでしかない。しかし、最近、沖縄県民の意志が集約されてきていることを感じる。
ずっと不毛に見える抗議を続けてきたが、裁判所の和解勧告を受けて基地建設工事の中断に至っている。これは本当に大きなことだ。
文語訳の聖書に「せんかた尽くれども希望(のぞみ)を失わず」という言葉がある。やるべきことはすべてやり尽くしてもう何もできない。それでも希望は持っている、という不思議な言葉だ。聖書は、苦難から忍耐、練達、希望が生まれると説くけれど、簡単なことではない。今、たどり着いた状態は、まさに文語訳の聖書が示すように、やりつくした果てにある希望の状態ではないだろうか。あきらめずに希望を持ち続けたい。」

1954年 北海道岩内町に生まれる
1969年 日本キリスト教団 札幌教会にて受洗
1978年 早稲田大学政治経済学部卒業
1979年 1年の銀行勤めの後、東京神学大学に編入学
1983年 同大学・大学院修士課程修了
1983年~1996年 日本キリスト教団富士見町教会 副牧師
1996年~2006年 明治学院 学院牧師
2006年~現在 日本キリスト教団佐敷教会 牧師
2010年~現在 沖縄キリスト教学院平和研究所コーディネーター
2007年~現在 辺野古新基地建設阻止行動に船長として参加
2014年からは抗議船「不屈」船長