NEWS NO.111(2016年度)
北海道登別明日中等教育学校が来学し、ワークショップを体験
9月20日(火)、北海道登別明日(あけび)中等教育学校の生徒が、本学循環農学類・農業経済学コースによるワークショップを受講しました。
同校は6年間の中高一貫教育を行っており、文部科学省が実施する、「スーパーグローバルハイスクール(SGH)※」事業の指定校に選ばれています(全国56校、道内では5校)。その事業の一環として、大学の研究の実際に触れて「食」や「農」に関する現状や課題を知り、その解決方法やまとめ方について探求型学習を通して学ぶため、4回生(高校1年に該当)75名と担当教員5名が本学でのワークショップに参加しました。
はじめに、高大連携委員会の委員長である丸山明教授(数量経済学研究室)があいさつをし、その後、吉岡徹准教授(農業経営学研究)の司会進行のもとで、クイズ大会が行われました。小糸健太郎准教授(国際経済学研究室)、吉野宣彦教授(農村計画論研究室)、吉岡准教授、相原晴伴教授(農畜産物市場論研究室)、發地喜久治教授(食料経済史研究室)が、それぞれ1題ずつクイズを出題しました。生徒たちは、4~5名ずつが18の班に分かれて、「有機農法の田んぼでは、イトミミズは1平方メートルあたり何匹いたでしょうか」「過疎化と高齢化が進む徳島県上勝町で、農家が町にある『あるもの』の販売を始めて年商約3億円のビジネスとなっていますが、その『あるもの』とは何でしょうか」などの問いついて、班ごとに話し合って答えを出していきました。正解率で1位となった5つの班には、賞品として酪農学園グッズが贈られました。
午後からは、担当教員ごとにテーマを設けて5つのクラスに分かれ、ワークショップが行われました。小糸准教授のクラスは、「世界の農産物需給と食料安全保障」が大テーマで、そのうち「世界の人口と食料需要」「世界の穀物需給と価格」「農産物と貿易政策(TPP)」など11の小テーマの中から、2人ずつがそれぞれ希望する学習テーマを選び、学習テーマに関するデータ資料を読み、グラフにしたり、気づいた点を書き出しました。そして、各々が学習した内容を班に持ち帰って発表しました。その後、班ごとに、投票によって最も取り組んでみたい研究課題を決め、どのように解決するか、方法を話し合いながら考えていきました。
小糸准教授は、「このワークショップは、アクティブラーニングの手法を取り入れ、生徒さんたち自らが、課題とその解決法を見つける楽しさを学んでもらうことを目的としています。班ごとに活発な意見が交わされ、時間内に収めるのが難しいくらいの活気で、とても良いアイディアが出されていました」と話しました。参加した生徒は「普段の授業では学ぶことのないテーマで難しかったですが、みんなで話し合うことで理解が深まり、とても楽しい授業でした」と話しました。
なお、今後、研究作業を進め、来年1月に課題研究最終発表会が行われる予定です。
※スーパーグローバルハイスクール
文部科学省では、高等学校等において、グローバル・リーダー育成に資する教育を通して、生徒の社会課題に対する関心と深い教養、コミュニケーション能力、問題解決力等の国際的素養を身に付け、もって将来、国際的に活躍できるグローバル・リーダーの育成を図る「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」事業を2014年度から行っています。