NEWS NO.194(2016年度)
本学環境共生学類・発生生物学研究室が
「ミツバチ産業科学研究会ハチミツ品評会」学生部門 優秀賞を受賞
京都府のキャンパスプラザ京都で開催された、ミツバチ産業科学研究会主催による「ミツバチ産業科学研究会 第1回大会」において、本学環境共生学類・発生生物学研究室(山舗直子教授)がハチミツ品評会に出品したハチミツが、学生部門の優秀賞を受賞しました。
この大会は、養蜂に関連した機関、企業、学校などが参加して意見や情報交換を行い、ミツバチ管理技術の共有や、ミツバチや養蜂産業への理解を深めると同時に、次世代の人材育成を目的として開催され、約150名が参加しました。
受賞したハチミツは、同研究室が飼育するセイヨウミツバチの巣箱から、2016年8月5日に採蜜した百花蜜(いくつもの種類の花から集められたハチミツ)です。甘味や舌ざわり、香り、コクなどの食味と、糖度や水分、ショ糖含有量などの成分内容が審査対象となりました。
大会には、同学類3年の大場貴博さんと宮武純也さんが参加して「北海道のミツバチの一年」と題したポスター発表を行い、セイヨウミツバチの巣箱の管理から採蜜、スズメバチの襲来への対処、越冬まで1年間の研究内容を報告しました。
●山舗直子教授
「8月5日に32㎏のハチミツを、約2週間後の18日には14㎏を採蜜しました。特に5日はここ数年の中で最もおいしいハチミツが大量に採れたので、これを出品しました。ハチミツの味は、天候や採蜜のタイミングに大きく左右されます。7月下旬にキャンパスにシナノキの花がたくさん咲いていたので、おいしいハチミツになったと思います。そして、巣箱の蜂の数が多かったことも大量のハチミツが採れた理由の一つで、これは学生たちが巣箱の様子をしっかり調べ、適切な管理をした賜物です」。
●宮武純也さん
「ポスター発表の会場では、およそ3時間ポスターの前に立ちましたが、絶え間なくいろいろな方々が訪れて質問や意見をくださり、昼食に行く時間もないほどでした。北海道の養蜂に関心を持つ方々が大勢いることが、今回の参加でよくわかりました。ハチは社会性昆虫で、産卵するのは女王バチだけで、他のハチはそれぞれの役割を担うという分業体制を備えています。そのような社会構造がはたして繁殖に向いているのかなど、興味は尽きません。
現在取り組んでいる研究は、巣箱に温度センサーを複数取り付けて、蜂群の動きを推測していくことです」。
●大場貴博さん
「今回の大会では、参加している方々から、ダニの問題で困っていて、退治する方法を見つけてほしいという要望もいただきました。
私はもともと生きもの全般が好きで、ミツバチは最近になって学外でも学ぶ機会がたくさんあり、その生態に不思議さを感じています。現在取り組んでいるのは、観察が難しい越冬時期の蜂群全体の動態をとらえる代わりに、巣箱を自作して実験的低温下に蜂群の一部を置いて、WEBカメラと熱画像カメラでモニタリングしています」。