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Channel: 在校生の方へ –酪農学園大学 | 獣医学群・農食環境学群
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域学連携セミナー開催~中標津町と酪農学園大学の共催~

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NEWS NO.67(2014年度)

域学連携セミナー開催~中標津町と酪農学園大学の共催~

 

 中標津町の主催、中標津町農業協同組合、計根別農業協同組合、中標津町教育委員会と酪農学園大学の共催による「域学連携セミナー」が8月28日に中標津町総合文化会館で開催されました。

 中標津町やJA中標津、JA計根別などが、日頃問題としている酪農に関する課題や町民の方々興味を持っているテーマに応えるためのセミナーとして企画したもので、酪農学園大学から、獣医学類獣医衛生学ユニットの樋口豪紀教授、循環農学類園芸学研究室の森志郎准教授の二人から話題を提供しました。

 開会にあたり、小林実中標津町長から「中標津町は酪農を主産業とする町。酪農学園大学との連携は、町の地域振興・産業振興に大きく貢献する。大学との連携を、域学連携セミナーなどを通して展開していきたい。また、町には大学OBの方も多く、各界のリーダーとして活躍している。大学の教育研究、人材を通した地域振興支援に期待したい」とのあいさつがありました。

 樋口教授から「小牛は何故病気にかかりやすいか~生まれる前と生まれた後のはなし~」と題して、酪農家向けの話題提供を行いました。「当地はマイコプラズマ性乳房炎の防除対策がもっとも進んでいる地域であり、その取組は世界的にも評価されている」と、前回のセミナーの内容と地域の取組に敬意を表したのち、本題に入りました。

「子牛の死廃の90%が感染症によるもので、抵抗力(免疫力)の弱い子牛が感染症によって死亡している。抵抗力(免疫力)は、生まれる前(胎内)から発達しており、生まれる前の管理=母牛の管理が大きく影響していることが考えられる。人間の例で、母親の栄養状態が子ども、孫まで影響しているとの疫学的調査結果もあり、牛も胎児期の栄養状態が影響していることが想定され、「生まれる前=妊娠期」の母牛の栄養に関する研究の重要性・必要性を指摘し、虚弱子牛症候群など胎児期の栄養に関する研究が進められている」ことを紹介しました。また、生後1年でほぼ成牛と同程度の抵抗力を確保するが、生後3か月間は十分な抵抗力がないことから、この間の飼養管理の大切さも強調しました。そのために初乳の適正な給与と飼養環境の適正な管理(ストレスを与えない・感染症の原因となる微生物を増やさない)の重要性を示すとともに、ストレスはほぼすべてがヒトの管理が要因となっていることから、免疫力を高めるのもヒトであることを話しました。

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 森准教授からは「楽しく学ぶ花づくり(基礎編)」として、庭先で花を育てるときの土づくりと肥料のやり方、さまざまな花の特徴と管理の仕方を「ガーデニングの第一歩」として話題を提供しました。

 土づくり、肥料のやり方について、有機物(堆肥)の役割や肥料の特徴を活かした使い方を丁寧に説明した後、北海道でガーデニングに利用されている主だった草花をどのように楽しむかを、花壇やプランターの設計から日常の管理について紹介しました。「特に、大事なのは、記録するで、植栽の時期や日常の管理、開花時期などを、気象条件などとともに記録しておくことで、次の年の庭づくりに活かすことができる。北海道の涼しい夏や景観、広い庭はガーデニングに適した環境であり、地域の気候に合った植物を上手く利用して花づくりを楽しんで欲しい」と話して講演を終えました。

 話題提供のあと、参加者からさまざまな質問がありました。毎日、牛の管理をしている酪農家の方々、いろいろな花づくりを楽しんでいる方々から、答えに窮するような専門的な質問も多く出され、有意義なセミナーとなりました。午前の部、午後の部とも約100名の参加があり、今後も継続してセミナーを開催することとして終了しました。

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