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獣医学科創立50周年 東京記念講演会を開催

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NEWS NO.101(2014年度)

獣医学科創立50周年 東京記念講演会を開催

 

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11月8日(土)に東京都千代田区立日比谷図書館文化館大ホールにおいて、獣医学科創立50周年 東京記念講演会が獣医学科同窓会との共催で開催されました。「未来の大人たちへ」―共に考えよう人と動物と環境を―と題する講演が行われ、小中学生、高校生、動物専門学校の学生、卒業生など200名を超える参加者が熱心に聴講しました。

 

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酒井久美子さん(獣医学科2012年卒、メイジファルマ)の司会で、はじめに田村豊獣医学群長があいさつし、その中で、獣医師国家試験の高い合格率、大学附属動物病院の中で最多の診療実績、海外との学術交流など本学獣医学科の特徴を紹介しました。

 

 

 

 

その後、(一財)生物科学安全研究所の濵岡隆文氏(獣医学科1978年卒)が座長となって、3名の獣医学科卒業生(小松泰史氏(1981年卒)、植田啓一氏(1996年卒)、坂東元氏(1984年卒)による講演が行われました。

 

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小松泰史氏(東京新ゆりがおか動物病院院長)は、(公社)東京都獣医師会の「ノネコ引越し作戦」の取り組みを紹介しました。これは、小笠原諸島のカツオドリやアカガシラカラスバトなどの希少鳥類が、野猫に捕食されて減少するのを防ぐ目的で、野猫を捕獲して都内の動物病院に搬送し、訓化して里親にリレーする取り組みです。鳥を救い、自然環境保全のために殺処分される猫の命も救うのが特徴です。最初は凶暴だった野猫も約2カ月で人に慣れるようになるそうです。2005年からこれまでに390匹の猫の引越しが行われ、最近は鳥の繁殖や繁殖地の復活が確認されました。小松氏は「環境に関わる取り組みは成果を出すまでに時間がかかります。でも、あきらめないで10年やってきました」と語りました。

 

 

 

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植田啓一氏(沖縄美ら海水族館獣医師)は、水族館でのジンベエザメやマンタ、イルカなど大型水棲動物の健康管理の取り組みについて映像を使って紹介しました。大型動物なので、水中でCTやエコー、内視鏡などを使って診断するときは数人がかりでの作業となり、皮下脂肪が厚いので注射や採血は大変です。植田氏は、病気で尾びれを失ったバンドウイルカのための人工尾びれの開発や本学も協力して成功したイルカの全身麻酔など、新たな取り組みも紹介しました。「今後は、(まだ誰も行っていない)ジンベエザメの人工繁殖に挑戦したい」と話しました。

 

 

 

 

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坂東元氏(旭川市旭山動物園園長)は、ふつうの動物のすばらしい身体能力や感性、感覚を活かす展示を行う旭山動物園の取り組みや、飼育動物のふるさとであるボルネオ島の野生動物の保全活動を紹介しました。私たちが使うパーム油や木材などの資源生産のためにボルネオ島の熱帯雨林が伐採され、そこで暮らすオランウータンやゾウが絶滅の危機に瀕しています。坂東氏は、現地の政府や旭川市内の企業と協力してゾウのレスキューセンターを建設しました。「自分はパーム油を使っているカップラーメンを買うのをやめました。暮らしを見つめ、なくていいものは買わないようにしましょう」と呼びかけました。

 

 

座長の濵岡氏は、「若いみなさんも人と動物と環境について考え、そして行動してください」と締めくくりました。

最後に、本学獣医学科同窓会の南会長があいつし、行事が終了しました。

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