NEWS NO.147(2014年度)
キャリア教育検討WGの研修会を実施
1月29日(木)本学本館において、キャリア教育検討WG(ワーキンググループ)の研修会が行われました。久留米大学学長直属特命講師・キャリアアドバイザーの酒井佳世氏を講師に招き、教職員約20名が出席しました。
酒井氏は、証券会社勤務を経て、2003年から久留米大学で勤務し、現在は学長直属としてキャリア科目を担当する傍ら、就職支援やキャリア支援を行っています。今回は「キャリア教育の展開とPBL授業の効果的導入」というテーマで講演しました。
※PBL(Project-based-Learning 課題解決型学習)とは、身近な問題や事例を素材としながら、具体的な問題解決に向けてチーム学習を行っていく学習方法です。学生自身が問題を発見・探求し、その過程で知識を得るとともに、問題解決能力を身につけることを意図しています。
「久留米大学では、大学卒業後により良いキャリアを得るために、1年次の前期に4年間の大学生活をどう過ごすべきか、学生が個々に目標設定と計画の作成を行います。まず始めにジェネリックスキルの基礎力測定を行い、自分の現状を把握します。そして、社会人・職業人として必要な一般的な知識、スキルを身に付け、さらに社会が要求する専門知識を習得するために、どのように学生生活を過ごすのか、留学や旅行、アルバイト、インターンシップなどを含めてプランを立てます。1年次の早い段階でジェネリックスキルを理解し、将来に向けて意識させることで、大学生活そのものの目標と計画が明確になります。それに気づかせるには、夏休みまでが勝負だと考えています。
PBL授業では、2年次には、学生たちがチームに分かれ、金融、流通、メーカーなどさまざまなジャンルの企業を訪問し、業務内容、企業としての取組、その意図などを具体的に説明してもらいます。そして、企業から何か課題を出してもらい、約2カ月かけて調査を行います。学生たちは調査結果をプレゼンテーションし、企業がそれを評価します。
3年次には、3月から始まる就職活動に備えて、2月に業界研究セミナーを開催します。それを学生自身が企画・運営します。業界を選び、具体的に企業を決め、そこを訪問してインタビューをし、資料の編集作業まで行います。セミナー当日は、企業の概要説明や、企業とのシンポジウムの司会など、従来は職員がしていたことを学生が行います。
これらの授業は、学生の訓練になるのはもちろん、企業と学生との接点ができて、それが就職にも繋がるという大きなメリットがあります」。
講演後には質疑応答が行われ、「大企業に就職するのが成功とは限らず、社会に貢献できる人間を育てることが大事では」「研究を続けたい学生に対するキャリア教育を、どのように行うべきか」「大学ごとに、キャリア教育の手法は大きく異なる。酪農学園大学では、以前から農家での実習をカリキュラムに取り入れており、これもキャリア教育の一つと言えるのではないか」など、活発な議論が交わされました。