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作物生産ステーションで、花きを栽培・研究

 

NEWS NO.86(2015年度)

作物生産ステーションで、花きを栽培・研究

 

 作物生産ステーションでは、循環農学類・園芸学研究室(森志郎准教授)が、さまざまな花きを栽培し、研究を行っています。8月6日(木)には、ビニールハウスで育てたスターチスの収穫を行いました。また、光合成を促進する肥料成分ALA(5-アミノレブリン酸)のスターチスに対する効果を検証するため、ALAを与えた群と与えていない群を、それぞれ重量、草丈、花房数を測定して調査を行いました。

 

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 園芸学研究室では、花きの栽培技術向上のための研究を行っています。石川翔太さん(4年・左)は、圃場でユリの「きたきらり」の球根の生育特性を研究しています。きたきらりは北海道が開発した比較的新しい品種のユリで、球根を養成して3年目にオレンジ色の花をつけます。球根の生育状況を調査することで、より適切な栽培法を確立し、さらなる普及につなげることを目的としています。

 

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 また、新たな育種にも取り組んでいます。山家佳己さん(4年・右)は、ビニールハウス内でミチノクヒメユリを育て、別種のユリと交配させることで、種をまいて1年で開花し、1つの球根から3本の花茎をのばす、生産性の高いユリの品種開発を目指しています。通常の交配では種が育たないため、子房から無菌的に胚珠を取り出し、培地で栄養を与えて芽を出させる、特殊な方法を用いています。

 

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 教材開発にも取り組んでいます。多肉植物であるエケベリア(左)は葉が重なってロゼットを形成し、鉢物などで広く普及しています。1枚の葉をちぎって鉢に置いてもそこから芽を出して増え、再生力が強く栽培が易しいことから、小中学校での自然教育の教材として適していると考え、栽培技術の研究を行っています。

 

 また、試験機関を除き北海道では本学でしか栽培していない、他の品種よりもおよそ3倍長持ちするカーネーション「ミラクルルージュ」の教材としての活用や、同じ種類のゲノムを2倍持ち、茎が丈夫でより大きな花を咲かせることが期待できる、「4倍体スターチス」の研究なども行っています。

 

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●森志郎准教授

 「農作物は、毎年全国でおよそ1,000種類の新品種が登録されていますが、そのうちのおよそ500品種を花きが占めています。それだけ花きは品種の入れ替わりが激しい農作物で、各地域では盛んに品種の検討会や勉強会が開かれています。花き農家は常に新しい情報を得て、適切な栽培方法を学び、市場ニーズに対応しなければなりません。

 北海道でも花き生産はさかんですが、本州と比べて秋以降日照時間が短く、冬が寒いことから、栽培時期が限られてしまいます。より良い栽培法や品種を研究、開発することにより、花き農家の生産性向上に寄与できると思います。また、教育教材となる植物の普及への取組は、子供たちの自然や農業に対する理解を深めることにつながります」。

 

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ビニールハウスのスターチス スターチスを収穫 調整・結束
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結束したスターチス 重量、草丈、花房数を測定 4倍体スターチスの研究

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