NEWS NO.105(2015年度)
第2回ナチュラルチーズ製造セミナーを実施
9月17日(木)から19日(土)までの3日間、本学乳製品製造実験実習室において、食と健康学類・乳製品製造学研究室(竹田保之教授・栃原孝志講師)による第2回ナチュラルチーズ製造セミナーが開催されました。
このセミナーは、酪農学園ミルク産業活性化推進会議が協賛し、国産ナチュラルチーズの安全性と製造技術の一層の向上を図り、北海道の酪農・乳業の健全な発展に資すること、さらには、ナチュラルチーズ製造を通した社会参画に高い志を持つ学生の、経験や発達の一助に寄与することを目的としており、さまざまな学類から応募した、定員5名を上回る10名の学生が受講しました。
1日目は、オリエンテーションののち、近郊のチーズ工房(新札幌乳業㈱)を見学し、その後、翌日のチーズ造りに必要なスターター(※原料乳の発酵を促す乳酸菌)の準備を行い、竹田教授による「乳の基本知識」について講義を受けました。
2日目の製造実習では、受講生は2班に分かれ、カマンベールチーズ製造班は本学実習室の倉内清隆技師から、ゴーダチーズ製造班は、今回のセミナー開催に多大なご協力を頂いた宮城県蔵王町の(一財)蔵王酪農センター元職員の長尾英次氏(本学卒業生特別講師)から、チーズ製造工程の手ほどきを受けました。原料乳にスターターやレンネットを加え、固まったものをカットし、型詰して圧縮する一連の作業工程を行い、原料乳がチーズになる過程について詳しく説明を受けながら観察・確認をし、理解を深めました。夕食時には、セミナーに関する意見交換会が開催され、参加者同士そして講師陣との交流が図られました。
3日目には、昨日までの実習内容を振り返った後、修了試験があり、合格者には修了証が付与されました。
セミナーを受けた学生たちは、「これから家畜飼料を専攻するつもりですが、チーズに適した生乳を生産するにはどのような飼料を使えばいいのか、理解したいと思い受講しました」「卒業後はチーズ造りに関わり、自分のオリジナルチーズ造りを目指したいと考えています」と受講の動機を語りました。
セミナーを終えて竹田教授は「受講生の熱心な姿勢は、教える側にとっても大きな刺激となります。理論と実技の両面からチーズ作りの奥深さを少しでも感じてもらえたなら、うれしいですね」と話しました。
栃原講師は「今回のセミナーを通し、普段食べるおいしいチーズというものが、牛から搾った生乳からできており、チーズができるまでには、味、概観、風味などの変化がダイナミックに起きているのだということを再確認してもらえたのではないでしょうか」と話しました。