NEWS NO.123(2015年度)
GIS DAY in 北海道2015を開催
10月23日(金)、24日(土)の2日間、本学にてGIS DAY in 北海道2015が開催されました。
GISとは、地理情報システム(Geographic Information System)の略称で、GIS DAYは、このシステムに興味のある方や利用者が集まり、情報や意見を交換をするイベントです。1999年にアメリカで始まり、現在は世界各国や日本各地で開催されており、北海道では本学が中心となって開催しています。
2005年から始まったGIS DAY in 北海道は、北海道のGISコミュニティづくり、情報共有を目的としています。11年目の今年は「GIS/リモートセンシングデータの現在と未来」というテーマで、1日目403名、2日目62名、延べ465名の来場者があり、活発な意見や情報の交換が行われました。
初日は、本学学生ホールで講演会が行われ、約190名が聴講しました。実行委員会委員長を務める、本学農業環境サービスセンターのセンター長である金子正美教授(環境共生学類・環境GIS研究室)が「近年、GISやリモートセンシング等のソフトウェアは急速に進歩していますが、どのようなデータを用いることができるかというのは、常に変わらない課題です。講演会や事例発表、ブース出展、技術講習会等を通して、改めてデータについて考えていきたいと思います。今回のGIS DAYが、実り多きものであることを期待します」とあいさつしました。
基調講演1では、日本スペースイメージング株式会社代表取締役の東誠氏が、「衛星リモセンの神話と現実」と題して講演を行いました。衛星リモセン(リモートセンシング)とは、人工衛星にセンサーを搭載し、そこから地球を観測する技術です。東氏はその概念を解説し、最新の活用状況と、将来の展望について語りました。「衛星リモセンによって、人間は宇宙から神の目を持って、地球上で何が起きているかを見ることのできる技術を手に入れました。それを使い、何が起きているかを正しく検知し、安全保障や環境保全に活かしていくことが、とても重要です。それを常に心に置きながら、事業を行っています」。
基調講演2では、本学環境共生学類の星野仏方教授(環境リモートセンシング研究室)が、「時間の変化を追い続けて10年」と題して講演を行いました。黄砂が運ぶバイオエアロゾルの動きや家畜・野生動物の行動、植物の分布など、現地調査とともにリモートセンシング技術を活用した研究を紹介しました。「リモートセンシング技術は、野生動植物や家畜の追跡を通して、それらの行動パターンや気候変動への適応などを明らかにすることが可能です。また、時系列データを解析することで、環境や生態系などの長期変動を知ることができます」。
展示エリアでは、企業の製品展示や農業分野での活用等のプレゼンテーションが行われました。本学農業環境サービスセンターは、「ミニミニ農業セッション」と題して、若手農家の3名を招き、農業における情報通信技術の活用や今後の可能性、課題などを語ってもらいました。
環境共生学類の鈴木透准教授(保全生物学研究室)は、「GISデータってどんなものがあるの?どこにあるの?」と題して、GISやリモートセンシング技術を活用する際に、どのようなデータをどこで手に入れることができるかを解説しました。
また、今回初の催しとして、「UAV、使っている人たちのお悩み相談会」を開催しました。環境共生学類の小川健太准教授(環境空間情報学研究室)がコーディネーターとなり、UAV(ドローン)の活用について、ユーザーが集まりディスカッションを行いました。
中央館1階では、酪農学園大学から半径16㎞(10マイル)の農家が生産した新鮮な野菜を販売する、「地産地消10マイルマルシェ 野菜等直売会」が開かれました。
2日目は講習会を開催し、「ENVI講習会」ではリモートセンシングの基本的な解析を、「ArcGIS講習会」ではGIS地図作成の基本操作やポイントなどの講習を行いました。