NEWS NO.131(2015年度)
「世界展開力強化事業」タイ・カセサート大学(第1班)が研修終了
本学、北海道大学、東京大学の3大学とタイのカセサート大学は、文部科学省の大学の世界展開力強化事業(AIMSプログラム)に採択され、単位互換をともなう獣医学部学生の交換留学(臨床研修)を行っています。この取組の目的は、タイではASEAN諸国のリーダーとなる獣医師を、日本ではアジアの状況を把握し世界的な視野で活躍できる獣医師を育成することです。
本学と北海道大学は、9月よりカセサート大学から20名の留学生を受け入れ、10名ずつの2グループが両大学で6週間ずつ、合計12週間の研修を行っています。このたび、本学での研修を修了した10名の閉講式が、10月15日(木)に行われました。
はじめに、竹花一成学長が、「酪農学園大学での滞在はいかがでしたか。この6週間で多くを学び経験してくださっていれば幸いです。これから社会のリーダーとなっていくであろう皆さんに、この経験をアジアの国々で起こっている問題解決のために役立てていただければと思います。本学で築いた友情をタイに戻ってからも忘れず、今日から始まる北海道大学でのプログラムも楽しんでください」とあいさつしました。
萩原克郎教授(獣医学類・獣医ウイルス学ユニット)は、「本学で過ごした6週間は本当に短い期間ですが、獣医学に関してだけではなく、日本文化等についても学ぶことができたのではないでしょうか。日本の学生はとてもシャイです。皆さん方は、先生方に積極的に質問をすることができたでしょうか。日本では『ためらわない』ということがとても大切です。北海道大学でもがんばってください」と述べました。
続いて、カセサート大学の研修生による成果発表が行われました。
●パンティラ・ソンコムさん(左)
「酪農学園大学に来るにあたって、私たちは日本文化や和食、日本社会について学ぶことや新しい経験をすること、タイと日本の教育システムの違いを比較すること、新しい友人を作ること、日本語を勉強することなどを期待していました。衛生・環境学特論Ⅰでは、GISの知識が獣医の分野でも利用できるものだと知りましたし、獣医倫理では、日本とタイの獣医倫理の考え方が大きく違うことを知りました。獣医生化学でPCRの実習をしたり、ハードヘルス学では実際に農場へも行きました。牛の乳房炎や牛乳の品質管理の学習をし、獣医寄生虫学はサンプル採取の方法など、さまざまなことを学びました」。
●ナッタニッチ・マニーウォングさん(中)
「動物病院では、伴侶動物では5人の学生が5つのユニットに分かれて、1週間実習を行いました。生産動物では1つのユニットに2日、4つのユニットにて実習を行いました」。
●オラウィー・ブーンセナさん(右)
「寮での生活はとても快適で、寮生もとても親切でした。私たちのチューターだけではなく、たくさんの学生が私たちに話しかけてくれました。一度、日本人の学生をタイ料理パーティに招待もしました。休日には旭山動物園や開拓の村、函館にも遊びに行きました」。
続いて、チューターとして研修生へ助言や補佐を行った本学学生があいさつをしました。
「本当に時間が短く感じました。私たちは病院の中だけではなく、札幌に一緒に出掛けるなど楽しい時を一緒に過ごすことができました。このプログラムに関わることで、自分は今まで以上に社交的になり、国際的視野を持つことができました。本当にありがとうございました。皆さんが北海道大学でも充実した時間を過ごすことができるよう願っています」。
「私たちはとてもシャイで、会話に苦労することもあり申し訳なく思います。皆さんは、今日最後の発表を終えてほっとしていることと思います。本当にお疲れ様でした、グッドラック!」。
カセサート大学 タヌー・ピンヨプミンター教授は「学生のレポートから、日本での生活や、酪農学園の教職員や学生の皆さんがこのプログラムのために多くの努力をしてくださったことを知り、お礼を申し上げたいと思います。言語の壁がありながらも、学生同士が、ボディランゲージなど使えるものをすべて使って、相手を理解しようと努力したことをうれしく思います。違いを受け入れましょう。予期せぬ出来事を受け入れましょう。起こった出来事を前向きにとらえましょう。悲観することもできますが、皆さんの報告からはそれを乗り越えたことがわかります。酪農学園大学の皆さんに、心からの感謝を申し上げます」とあいさつしました。
続いて修了証の授与が行われ、全員で記念撮影をして閉講式は終了しました。