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実践農学で、むかわ町の小笠原弘義氏が講義

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NEWS NO.138(2015年度) 

実践農学で、むかわ町の小笠原弘義氏が講義

 

小笠原弘義・トマト

 

P1280495-1 本学の農食環境学群・循環農学類の「実践農学」では、農業の分野でさまざまな立場で活躍している外部講師を招き、講義を行っています。11月13日(金)は、2010年にむかわ町に新規就農した小笠原弘義氏が「サラリーマンからトマト農家へ」と題して講義を行いました。

 小笠原氏は、神奈川県で27年間会社員として勤めたのち、45歳で早期退職をして、むかわ町で農業体験や研修を行い、2010年に独立就農しました。はじめに、むかわ町産業振興課・農政グループ主査の飛岡雅幸氏が、「小笠原さんは、むかわ町の新規就農では第一号で、補助制度がまだ今のように整っていない時に町に入り、独立就農して5年になります。研修中からとても勉強熱心な方で、常にノートと鉛筆を持ってメモを取り、研究を重ねて実績を上げてきました」と紹介しました。

 

P1280500-1●小笠原弘義氏の講義

 「早期退職制度を使って会社を辞めた時には、農業をしようとは全く考えていませんでした。今後どうするかと模索していた時に新規就農というものを知り、興味を抱いて調べ、北海道で就農したいという希望を持ちました。候補の市町村はいくつかありましたが、検討を重ねてむかわ町に決めました。気候がトマト栽培に向いており、冬にはレタス栽培ができ、通年で農業生産が可能な、北海道では恵まれた気候の地域であること、加えて行政と農協が一体となって新規就農者を支援する体制があったことが決め手でした。

 新規就農をする上では、地域選びがとても重要です。何を作ってどこに売り、いくら売り上げるか。冬には農業ができるのか、休んでもやっていけるのか。数多くの場所を訪ねてしっかり見て聞いて、自分に合う場所を選んでください。

 9カ月間の農業体験と7カ月の実践研修を経て、2010年11月に独立就農を果たしました。開業資金は1,000万円ほどかかりましたが、補助金や制度資金を使い、自己資金は約370万円でした。10棟のビニールハウスでのトマトとレタスの栽培から始めて、初年度は1200万円を売り上げ、作型や灌水の方法を変えるなど工夫を重ねて、4年目は12棟で1,900万円の農業粗収益となりました」。

og-2og-1小笠原弘義・ハウス

 

 「農業は、努力すれば報われ、それがお金になって戻ってくるのが面白いところです。しかし同時に、休むのも手を抜くのも自由ですから、自己管理能力が必要です。失敗すれば減収に繋がりますが、それも来年は挽回してやろうという楽しみに変わります。朝早くから日暮れまで走り回って農作業をするのは全く苦にならず、遊んでいるように楽しんでトマトを育てています。

 トマトの単価は年々下がっていますので、今後は新しい作物にもチャレンジしていきたいと考えています」。

 

 講義の後は質疑応答が行われ、「借金はすべて返済できましたか」などの農業経営に関する質問や、トマト栽培が盛んな地域出身の学生から「地元では受粉はホルモン処理を行っていますが、セイヨウオオマルハナバチを受粉に使っている理由は何ですか」といった栽培技術に関する質問もなされました。

 

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