NEWS NO.149(2015年度)
「第50回酪農公開講座 牛の飼育管理を考える-もうかる酪農場を目指して-」を開催
エクステンションセンター生涯学習課は、11月19日(木)、兵庫県神戸市のシーサイドホテル舞子ビラ神戸において「第50回酪農公開講座 牛の飼育管理を考える-もうかる酪農場を目指して-」を開催し、108名の参加がありました。同講座は、大学の教育・研究の成果を実際の酪農経営に役立ててもらうことを目的として、毎年、道内外で開催しており、兵庫県での開催は約10年ぶりとなりました。
主催者を代表し田村豊獣医学研究科長は「常に生産現場の最前線で仕事をされているお二人の先生から、生産者や関係機関の皆様に、広くお役に立つ情報が発信されることと思います」と竹花一成学長からのメッセージを代読されました。また、開催地代表として、兵庫県酪農農業協同組合連合会塩見忠則代表理事会長は、「区切りである50回目の酪農公開講座を兵庫県で開催していただき感謝しています。厳しい酪農情勢や経営状況打破に向けた後継牛の生産管理をテーマに講演していただくことは、酪農家や酪農関係者への強力な支援の一助になると期待しています」と挨拶されました。
講演内容については地元からの要請を受け、講演1では獣医学群大塚浩通准教授が「子牛の免疫システムの成熟と感染症」として、子牛の免疫システムの特徴と免疫機能を低下させる要因について解説し、牛のストレス軽減の重要性、誤った飼育管理方法の改善について話されました。講演2では獣医学群中田健教授が「酪農経営を継続させる繁殖のポイント-繁殖で悩んだときの解決のポイント教えます-」として、繁殖を高めるポイント、生産サイクルの安定、乾乳期や分娩時の管理について解説し、繁殖性改善に向けての糸口を話されました。その後のエクステンションセンター阿部茂次長を座長としたパネルディスカッションでは、専門的な質疑応答が行われ、また、終了後に回収したアンケートでも、「初乳や阻止量の給与バランスの大切さがわかった」「栄養管理、ストレス除去が子牛の免疫に与える影響が大きいことがわかった」「群管理という考え方の視点をもって仕事に臨む必要性を感じた」「繁殖は分娩前の乾乳期の管理が重要であることがわかった」「現場重視の大学の姿勢が伝わる講座であった」などの意見が多く寄せられ、「酪農公開講座」開催の意義を改めて感じることができ、「第50回酪農公開講座」は無事終了しました。
酪農学園大学エクステンションセンターより(2015.12.04)