NEWS NO.184(2015年度)
平賀教授(獣医学類)の最終講義報告
本学獣医学類の平賀武夫教授(獣医解剖学ユニット)の最終講義が、1月26日(火)16時20分より学生ホールにて行われ、学生や教職員約190名が出席しました。
はじめに、獣医学類の植田弘美准教授(獣医解剖学ユニット)から平賀教授の経歴を紹介した後、平賀教授による最終講義「獣医解剖学Bニワトリの解剖Ⅲ-哺乳類との相違を中心に免疫系とリンパ器官、神経系、内分泌腺、感覚器、外皮-」が行われました。
講義のあと、平賀教授は自己紹介し、1977年に家畜解剖学教室の助手として着任してから現在に至るまでの38年間を振り返りました。
留学の思い出「アメリカ・カンザス州立大学にて、Dr.Leipoldと」
・ウシの先天異常とその発生学的解釈
・催奇形性試験(アミノニコチン)
・鳥類の重金属・汚染・(鉛中毒)
・ゼブラフィッシュを用いた発生毒性(ダイオキシン)、(農薬)
・野生鳥類の骨格(特に脊柱の観察)
【まとめ】
・発生異常を知ることで正常発生が分かる
⇒病気を知ることで健康が分かる
・獣医解剖学は比較解剖学である
⇒生物分類における綱、科、属、種などによる相違と相同
・個体発生は系統発生を繰り返す
⇒発生学は進化の過程をひもとくカギとなる
・野生生物は環境汚染の最前線で生息している
⇒モニタリングすることで人類の将来に備える
最後に、平賀教授は「獣医の解剖はブタ、ウシ、トリ、サカナなど人以外の全てが対象です。発生学は進化の過程をひもとくカギになります。いろいろ考えて人は気付けるのです。フランスの哲学者アンリ・ベルクソンは、『問題を解決することよりも、問題を見いだすこと、したがって問題を提起することが肝心なのである』と言いました。みなさんも、問題を見いだし突き止めていってください」と、学生にメッセージを贈り、これまでお世話になった方々へと、これまで研究に用いた動物たちに感謝を述べました。
その後、及川伸獣医学類長が平賀教授のこれまでの功績に対して感謝の言葉を述べ、研究室の学生から平賀教授に花束を贈呈しました。
平賀教授の最近のモットー「自分のこころのままに正直に生きる!」、「可能な限り力を抜く!」