NEWS NO.91(2014年度)
産業動物医療への理解熟成のための講習会を開催
「産業動物医療への理解熟成のための講習会」が、10月29日(水)、本学学生ホールで開催されました。
この講習会は、産業動物を扱う獣医師の現状・役割・職責、そしてその魅力について、獣医師から学生に向けて紹介することで、理解を深めてもらい、将来、産業動物の獣医師を目指す学生を増やすことを目的としています。臨床実習等支援事業(農林水産省補助事業)を活用して、北海道農業共済組合連合会、大動物臨床研究会の協力のもと、家畜衛生対策推進協議会が主催し、本学獣医学類が運営するもので、獣医学類の3年生を中心に約80名が聴講しました。
4名の現役獣医師が、仕事の内容や魅力について話しました。
士幌町農業協同組合に勤務する青柳みわ氏は、NOSAIでは初めての女性獣医師として就職した経験や職責などを説明し、「自分が好きな仕事をして、農家の方たちに信頼され感謝されるという、とてもありがたい職業です。牛を通じて、私は人との繋がりを得ることができました」と話しました。
(株)ボーバインベットサービスで乳牛の獣医師として勤務する濱田将臣氏は、「酪農に携わる獣医師は、牛の健康を守り、酪農家の経営を支えます。みなさんの気力、体力、知力をぶつけるのに値する仕事です」と話しました。
宮城県で家畜診療所を開業し、養豚専門の獣医師として働く野津手麻貴子氏は、2010年に宮城県で大規模な口蹄疫が発生した際、殺処分に参加した経験などを話しました。「農場管理獣医師というのは、消費者に安心、安全な食を提供する重要な仕事です。農場が改善され、農家の方たちが喜んでくださった時はとてもうれしく、常にやりがいを感じながら仕事に取り組んでいます」と話しました。
北海道石狩家畜保健衛生所で公務員獣医師として勤務する内田桐子氏は、伝染病の予防と疾病の撲滅を目指して活動しており、その内容を具体的に紹介しました。「家畜の健康を確認できたり、牛や豚のほか、山羊、ミツバチなど、さまざまな動物と関われることに、とてもやりがいを感じています。公務員は福利厚生が充実しているので、出産、育児からスムーズに職場復帰ができました」と話しました。
講演の後には、「産業動物の現場に求められる獣医師とは」「産業動物獣医師になるために必要なことは」という二つのテーマで、パネルディスカッションが行われました。