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萩原克郎教授らが「新規乳酸菌及び新規乳酸菌含有組成物」で特許を取得

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NEWS NO.1(2015年度)

萩原克郎教授らが「新規乳酸菌及び新規乳酸菌含有組成物」で特許を取得

 

特許証-1

特許第5610472号

 

スライド2 萩原克郎教授(本学獣医学類 獣医ウイルス学ユニット)、石井智美教授(食と健康学類 臨床栄養管理学研究室)、岩野英知准教授(獣医学類 獣医生化学ユニット)、森ゆうこ研究員(獣医学類 獣医ウイルス学ユニット)が発明し、2006年から特許取得に向けて進めてきた「新規乳酸菌及び新規乳酸菌含有組成物」が、昨年9月に認可されました。

 萩原教授らは自然発酵由来の乳酸菌に着目し、生乳を自然発酵させて得られた発酵乳から、腸内菌叢改善作用、免疫賦活化作用に優れ、なおかつ食品に利用したときを想定して、香味に優れた菌株をスクリーニングし、この条件に最適な菌株を発見しました。

 発見した乳酸菌は「ラクトバチルス・プランタラムRGU-Lp1株」と名付けられ、従来から知られている有用特定乳酸菌株と同等、またはそれ以上の生理作用を示します。生菌体は強いアレルギー疾患改善効果を奏し、培養した菌株から生菌体を除去した濾過物は強い感染症予防効果を奏するという、相反する2種類の有効な機能性成分を持つユニークな乳酸菌です。また、安価で簡単に培養できることから、医薬品や飼料、食品への利用が期待されます。

 

P1170030 萩原教授はこの発明について、「自然免疫を活性化し、病気にかかりにくくなりますし、炎症を抑えて炎症性疾患を改善させる働きもあり、病気の個体を元気にすることもできる乳酸菌です。肺炎のモデルマウスの実証実験では、炎症が抑えられました。特徴として、胃酸や消化液に強いため腸まで届きやすく、ほとんどの種類の糖を栄養として増殖します。さらに、室温で増やせるため安価で製造することが可能です。数年間に渡って地道なスクリーニングを続け、この優れた乳酸菌を発見しました。

 乳酸菌は、腸内フローラのバランスを整えます。最近の研究では、腸は『第2の脳』とも言われており、単なる消化器官ではなく脳に次ぐ神経細胞を持ち、精神の健康も司っていることがわかってきています。この乳酸菌は、ヨーグルトなどの人の食べ物だけではなく、飼料として丈夫な子牛を育てたり、あるいは産業廃棄物を発酵させて肥料に変えるなど、さまざまな用途での活用が可能です。人から動物、そして環境まで、One World-One Healthの活躍が期待できます」と話しました。


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