本学の仙北富志和学園長が、9月16日に江別市中央公民館(コミュニティーセンター)で行われた江別市主催の生涯学習リレー講座「江別の歴史~江別まちづくりのフロンティア~」第2回の講師に招かれ、「原始林は『拓かれて』残された」と題して、野幌原始林の歴史について話しました。会場には、定員の100名を上回る115名の市民が参会し、メモを取りながら熱心に耳を傾けました。
1.明治の開拓移民団・・・関谷孫左衛門の信念「野幌開拓の成功こそ国家への貢献」
2.野幌原始林の軌跡・・・直訴の先見性「左様、難しきことなれば己が悪かった」
3.戦後の緊急入植政策・・・集団帰農と食糧増産「苦難の開墾からベッドタウンへ」
4.戦後の農地改革と北越殖民社の終えん「自作農の創設と農地解放」
5.関谷マリ子と野幌部落史「働く農民(女性)の視点と自立への願い」
6.道を拓く・・・道は雑草の中にも存す-屋久島(椋鳩十の碑)「わが人生も開こうとすればどこからでも開かれる」
仙北学園長は、明治時代に関谷孫左衛門率いる北越殖民社らによって拓かれ、現在に残された野幌原始林の歴史をたどり、「孫左衛門は、北海道を自分が見てきた米国の大農場のようにしたいと野望を抱き、貧しい小作人たちの暮らしも豊かになることを願いました。そして、安定した水の供給、健康な土など環境の安定を守るために開墾をくい止め森を守ったのです」と、開拓者らの信念を語りました。
そして最後に、「忘れてはならないのは、開拓当時男性は兵隊に取られ、残されたのは女性ばかりだったということです。名もなき女性たちの力によって、こんにちの北海道(野幌)の開拓がある。先人への感謝と郷土愛をもって若い世代に語り継いでいってほしい」と締めくくりました。
江別市生涯学習推進協議会の松山和子副会長は、「これまでも野幌の歴史を取り上げた生涯学習講座は開らかれていますが、回を重ねるごとに理解が深まっていきます。また歴史を知る度に、森林公園や原始林を大切にしていかなければいけないという気持ちなります。今回の講座では、搾取しない農地づくりや一般にはあまり知られていない話しが聞けて良かったです」と話しました。