NEWS NO.166(2015年度)
道の人材育成に協力 GISで農村計画
12月21日と22日に、本学と道との包括連携協定に基づき、環境共生学類の金子正美教授(環境GIS研究室)らが講師となって、北海道農政部農村計画課、振興局の農村計画担当職員を対象としたGIS(地理情報システム)の講習会・中級コースを実施し、13名が受講しました。
(10月に行われた初級コースには、20名が受講。上級コースは、リモートセンシング分野におよぶ高度なものとなるので日程は未定。)
現場から上がってきた農業納材整備事業のデータをGISの地図上に表すとエラーになるなど、よくある事例を基にトラブルやエラーなどへの対応を学びました。
●2日目は、日常業務の効率化がテーマ。
GISを活用して、農地の整備内容に優先順位をつける対応を学びました。
研修に参加した北海道農政部農村計画課の片桐 俊英主査は、「私たちは農業生産基盤整備の仕事をしています。地域の方に、予算に合わせた土壌改良や排水対策などの事業計画や課題を説明する必要があります。
以前は農家さんの要望通りに事業を実施してきましたが、5年前くらいからGISを取り入れて整備履歴を整理する作業を行ってきました。
GISを使ってみると、ほ場にどんな整備をしてきたかという過去の履歴が分かるので今後の整備計画が立てやすくなりました。従来より仕事の効率化が図れますし、地域でどのような基盤整備事業をしていくか、どこに、どのくらいのニーズがあるかを分析できるので、より効果的で効率的な事業計画を提案できると期待しています。
今はまだ、GISソフトを搭載したパソコンの台数やそれを使いこなせる職員が限られているので、今後もこうした大学の協力を得ながら、活用を広げていきたいです」と話しました。
金子教授は、「北海道とは昨年10月30日に、人材育成・環境との調和・食産業の振興の3分野において、地域課題の解決や人材育成の面で協力することを内容とする包括連携協定を結びました。この研修は、地域づくりを担う人材育成が目的です。大学はGISのノウハウを提供し、道からは現場のニーズを提供してもらうことで、互いの向上が期待できます。また、本学で専門分野を学んだ学生の雇用にも期待しています」と話しました。